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今夜は旅行で一緒だった利用者さんとのことについて書きたいと思います。
わたしが担当した方は、基本的には物静かな方でした。 普段、施設にいる時でもほぼ専用になっているソファーでジッとして、 あぐらをかいて、腕組みしていることが多い方です。 事務員のわたしとの施設での接点は昼食を同じテーブルで食べる時くらいです。 旅行で注意することについては、これまでの情報を何度も耳にしているし、 団体での旅行で何度か一緒になっていることもあるので、 旅行中の不安はありませんでした。 それでも一歩外に出たら何が起こるか判りませんから、 これまでの記録やフェースシートを読み直して当日に備えました。 今回の旅行は施設のクルマを使っての移動でしたので、 玄関to玄関でわずらわしいことも無いように計画しました。 この方は歩くことには問題は無いのですが、足下を見るということをしないことと、 未知のものには及び腰になることもあって、移動には目が離せません。 実際に、わずかな段差があるところでも声掛けを欠かしません。 小石川後楽園では、石畳を歩く時と川に置かれた飛び石を渡る時は苦労しました。 でも、腰が引けている人の手を取って引っ張っている姿を知らない人が見たら、 きっと人さらいか、拉致している人のように見えるね、と同僚と笑いました。 それからもっと気を使う点は食事でした。 基本的には施設での食事は何でも食べてくれるので、困ることは無いのですが、 なにぶん言葉が無いので、何が食べたいかがわかりません。 メニューの写真を見せても指を差してくれることも無いので困りました。 事前に「白飯とか、うなぎとか好きだよ」と教えられていたので、 うなぎの入ったメニューということで和食のレストランに入りました。 温泉物語の中では、そういう訳には行かなかったのでお寿司にしました。 旅行=ごちそう、という施設にありがちなパターンですね。 何が好きかわからない時にわたしが良くやる手は、 利用者さんが食べそうな違うメニューを自分が頼むという方法です。 こうすると本人のために頼んだメニューがお気に召さなかったり、 食べている途中で気が変わって食事が止まってしまったり、 欲しがったりした時に自分のと取り替えることができます。 これは先輩職員のマネです。 今回もうなぎの蒲焼き定食を前にして、わたしのネギトロ巻きに目が釘付けだったので、 2,3個あげましたら笑顔で召し上がっていました。 旅行というのは24時間ずっと同じ顔をつきあわせるということになります。 うちのような施設の旅行の場合は、利用者さんは有無を言わさず”担当”が決められるので、 自分が好きな職員と旅行ができるという訳には行きません。そのため、 「これから24時間、この顔を見なくてはならなくなりますので、よろしくお願いします」 と、朝の一番にお断りをさせていただきました。 施設の外に出ても、どうしても「○○しないで下さい」と注意をしてしまいます。 やっぱり気の合う仲間同士で旅行をしていてもケンカになってしまうのですから、 適当に距離を置くことも大切だと思いました。 温泉物語の中でもちょっと口うるさくしてしまった後にお風呂に入った時、 露天風呂で少し離れて見守る時間を取ったりしてみました。 風呂から出て休憩するような板の間のような場所があったので、 ここでしばらく座ってもらうことにしました。 わたしは見守ることのできる場所で風呂に入ったり、日光浴をしたりしていました。 こうしたシーンでは、それぞれが一緒にいなくても不自然ではない 状態をつくることができたので少しこちらも休息をとることができました。 安全を確保することが私たちの勤めですが、 始終べったり付き添わなくてはならないというと、 利用者さんにも、付き添う職員も息がつまってしまいます。 適当に息を抜くシーンをつくることができたことはラッキーだったと思います。 でも、それもこちらの勝手な解釈でしかないのかもしれませんが。 旅行中、利用者さんの様々な表情に出会うことができました。 この方は表情が瞬間でコロコロと変わる方なので、 仏頂面をしていたかと思えば、次の瞬間にはニコニコしているという顔を見せてくれます。 足湯を怖がっている表情も、コーヒーを前にしてニコニコしている表情も どちらも生き生きとしていたと思います。 やっぱり旅行に連れてきて、さまざまな経験をしてみないと 出てこない表情というのもあると思うので、これからもたくさんの表情をみせて欲しいと思います。 |
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